聞こえないJavaエンジニアが適当に書き連ねていく

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「ユーザのための要件定義ガイド 第2版 要件定義を成功に導く128の勘どころ」を読んだ

これは何

要件定義フェーズに関わりそうなので、要件定義について調べようと検索したらヒットした ユーザのための要件定義ガイド 第2版 要件定義を成功に導く128の勘どころ:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構を読んだので感想をつらつらと書いておく。

独立行政法人情報処理推進機構IPA)社会基盤センターが2019年12月20日にに発行したもので、 書籍版とPDF版があるが、内容は同じ。書籍版は2500円するが、PDF版は無料で読める。

全部で498ページあり、PDF版は14.6MBある。

ユーザーのための、と書いてあるが、ITベンダも読んで理解すべき内容が多く載っていた。

構成

章立ては以下の通り。

  • はじめに
  • 第1章 背景
  • 第2章 要件定義の問題認識
  • 第3章 要件定義の全体像
  • 第4章 ビジネス要求定義(BR)における問題と解決の勘どころ
  • 第5章 システム化要求定義(SR)における問題と解決の勘どころ
  • 第6章 要件定義マネジメント(RM)における問題と解決の勘どころ
  • 第7章 要件定義の主要ドキュメント作成(DD)の勘どころ

はじめに

最後の方に、章ごとに想定している読者層の表が載っている。自分がどの層に当てはまるのか確認すると 自分が特に重視して読むべき章はどれかが分かる。

自分はITベンダという立場で読んだ。

第1章 背景

現状のシステム開発の背景が載っている章。 特に関心が無ければ、流し読みでいいかな、と思う。

第2章 要件定義の問題認識

要件定義を行うにあたって、それぞれの立場で意識しないといけないことが書かれている。 この章はある程度しっかり読みこむことで、要件定義を行う際に自分が意識しないといけないことを改めて認識出来る。

一度でも要件定義をしたことがある人は、前回の要件定義でここがダメだったな、という振り返りにもなる。

第3章 要件定義の全体像

要件定義の全体像がまとめられている。自分がこれからやること、作るものについてざっくり把握するのに役立つ。

第4章 ビジネス要求定義(BR)における問題と解決の勘どころ

ITベンダの立場で読むと、お客様に何をやっていただきたいか、何をお願いしたほうがいいのか、を整理できる。 お客様の話を聞いていて、なんかはっきりしないな?と思った時に確認すべき事項が載っている、ともいえる。

自分はこの章は真剣に読んだ。

第5章 システム化要求定義(SR)における問題と解決の勘どころ

お客様の要望をシステム化するにあたって何を考える必要があるのか、を整理できる。

自分はこの章は真剣に読んだ。

特に5.1 システム化要求の仕様化 の章に書いてある内容は読んでいて 自分が今までに書いたドキュメントについてとても反省した。

第6章 要件定義マネジメント(RM)における問題と解決の勘どころ

この章はITベンダ側のプロジェクトマネージャという立場で読むときは重要だと思う。 でも、ITベンダの一介の設計担当として読む分には、あまり重要ではないかなと感じた。 (意識しすぎると却って疲れてしまうので、この章の部分はマネジメント担当にお願いしたほうが楽)

第7章 要件定義の主要ドキュメント作成(DD)の勘どころ

要件定義を行い、最終的にどのようなシステムにするのかを決めるにはドキュメント作成は避けて通れない。 後々困らないためのドキュメントとはどういうものなのか、がこの章にまとまっている。

作る必要があるドキュメントの量が多くて気が滅入りそうになる。 でも、各ドキュメントのサンプルも載っているのでイメージはしやすい。

自分がこれからどんなドキュメントを作るのか、を改めて意識することが出来た。

まとめ

要件定義という一連の作業についてざっくり把握する入門のドキュメントとしては非常にお勧め出来る。 ただし、一気に読むのは疲れてしまうので、他の技術文書同様に段階を踏んで読むのがいい。

  1. 全体をざっと流し読みして自分に特に関係ありそうな章をまず把握する。
  2. 自分に関係ありそうな章を読み、わからないキーワードをメモする。
  3. わからないキーワードを調べて意味を理解して、再度関係ありそうな章を読む。

2と3を繰り返すことで理解が深まると思うし、その上で詳細をもっと勉強したくなったら 詳細が知りたいキーワードで検索して出てきたページや本を読む、という流れがよさそう。